一般的に『健康』と言われる状態では、肥満は不健康だと考えられがちです。ですが肥満自体は本当に不健康なのでしょうか?
結論を申し上げると『肥満という状態では不健康ではないが、肥満が起きる事で不健康への入り口には立っている』と言う事になります
では、実際の肥満のリスクはどんな事があるのか?メタボリックシンドロームとはどう違うのか?
こういった観点で解説を進めていきましょう
健康と不健康とは?
健康と不健康の定義は、多くの要素から成り立っています。以下にそれぞれの一般的な定義を示します。
健康の定義
世界保健機関(WHO)による定義: 健康とは、「病気や虚弱がないだけでなく、肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であること」です。
この定義は3つの側面を強調しています:
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肉体的健康:
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身体機能が正常に働いている状態
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痛みや不快感がないこと
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適切な栄養、運動、休息が取れていること
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精神的健康:
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精神状態が安定していること
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ストレスや不安に対処できる能力があること
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感情や思考が健全であること
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社会的健康:
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良好な人間関係を維持できること
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社会に適応し、貢献できること
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孤立や疎外感がないこと
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不健康の定義
不健康とは、上記の健康の基準が満たされていない状態を指します。具体的には:
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肉体的な不健康:
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病気や怪我がある
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慢性的な痛みや不快感がある
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栄養不足や過剰、運動不足、睡眠不足
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精神的な不健康:
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精神疾患(うつ病、双極性障害、統合失調症など)がある
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高度なストレス、不安、パニック障害がある
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感情や思考が不安定である
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社会的な不健康:
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孤立や疎外感が強い
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人間関係が悪化している
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社会的な役割や義務を果たせない
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健康と不健康は単なる「有」や「無」の問題ではなく、スペクトラム(連続体)のように考えられます。健康のレベルは個人の生活習慣、環境、遺伝的要因、心理的状態などに影響を受けます。そのため、健康を維持・改善するためには、これらの要因を総合的に考えることが重要です
では肥満はどうなのか?
上記の定義を見る限りは『肉体的な不健康』の栄養不足や過剰、運動不足、睡眠不足が当てはまります。
定義上は『肥満=不健康』と考える事も可能です(ただし、栄養の過剰でも肥満とならない場合もあります)
肥満とは体の消費カロリーと摂取カロリーのバランスが崩れており摂取が上回っている事がほとんどですが、これだけでは不健康とは言えません。
肥満が起きる事はその後に発生する様々なリスクの始まりとなる為に『肥満=不健康』と解説出来る事になります
肥満から起こるリスク
肥満のリスクを解説するには『メタボリックシンドローム』を理解しなければなりません。ではメタボリックシンドロームとは何なのでしょうか?
メタボリックシンドロームの語源『メタボリズム』
メタボリズム(代謝)は、体内でエネルギーを生成し、使用する一連の化学反応の総称です。メタボリズムには以下の二つの主要な過程が含まれます。
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同化(アナボリズム):
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体内で小さな分子から大きな分子を合成する過程です。
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この過程では、エネルギーが消費されます。
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例:筋肉の成長、細胞の修復、グリコーゲンの生成など。
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異化(カタボリズム):
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大きな分子が小さな分子に分解される過程です。
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この過程では、エネルギーが放出されます。
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例:食物の消化、脂肪や糖の分解、細胞の廃棄物処理など。
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メタボリズムは、基礎代謝率(BMR: Basal Metabolic Rate)と活動代謝(AMR: Active Metabolic Rate)の2つに分けられます。
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基礎代謝率(BMR):
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体が安静状態にあるときに消費するエネルギー量です。
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呼吸、血液循環、体温維持などの生命維持活動に必要なエネルギーを含みます。
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活動代謝(AMR):
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日常の活動や運動によって消費されるエネルギー量です。
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運動、家事、仕事などの活動により変動します。
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メタボリズムの調整は、食事、運動、睡眠、ストレス管理などの生活習慣によって影響を受けます。例えば、定期的な運動は代謝を促進し、筋肉量の増加や脂肪の燃焼を助けます。また、バランスの取れた食事は、エネルギーの供給と代謝の効率を高めます。
メタボリックシンドローム(代謝症候群)は、腹部肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などが組み合わさった状態で、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めます。このため、メタボリズムの健康管理は非常に重要です。
後半は【メタボリックドミノ】について解説してます。
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