消費カロリーとは、運動や日常生活の活動によって消費されるエネルギー(カロリー)のことです。人間の体は、生命を維持するために常にエネルギーを消費しており、その総量は以下の3つの要素に分けられます。
1. 基礎代謝量(BMR: Basal Metabolic Rate)
何もせず安静にしている状態でも消費されるカロリーのこと。呼吸、心拍、体温維持、内臓の働きなどに使われます。
👉 成人の基礎代謝量は 1日あたり約1200〜1500kcal(個人差・性別差あり)
2. 生活活動代謝(活動代謝)
歩行、家事、運動など、日常の動作によって消費されるカロリー。運動量・体重が多いほど増加します。
👉 例:
- ウォーキング(30分) → 約100kcal
- ランニング(30分) → 約300kcal
- 階段の上り下り(10分) → 約80kcal
3. 食事誘発性熱産生(DIT: Diet Induced Thermogenesis)
食事を摂取することで体が熱を発生し、消費されるカロリー。摂取カロリーの約10%程度。
👉 例:1,800kcalの食事を摂ると 約180kcal がDITとして消費
消費カロリーを増やす方法
- 運動量を増やす → 有酸素運動(ジョギング・ウォーキング)+無酸素運動(筋トレ)を組み合わせる
- 筋肉量を増やす → 筋肉が増えると基礎代謝が上がり、消費カロリーも増加
- 日常の活動を意識する → エレベーターより階段を使う、立って作業するなど
消費カロリーが摂取カロリーを上回ると ダイエット につながり、逆に摂取カロリーが多いと 体重増加 につながります。ダイエットや健康管理のために、消費カロリーの計算を意識することが大切です!
特に体脂肪を減少させていく為には有酸素運動が効果的です。体脂肪はエネルギー源として消費する為には酸素を使った代謝を行う為、筋トレよりも有酸素運動の方が効率良く消費できます
カロリー(calorie)の起源
「カロリー(cal)」という単位は、熱量(エネルギー)を測るために生まれた概念 です。その起源は 18世紀から19世紀の熱力学の研究 にさかのぼります。
カロリーの歴史
- 18世紀後半(ラヴォアジエの研究)
- フランスの化学者 アントワーヌ・ラヴォアジエ(Antoine Lavoisier) は、燃焼の研究から 「呼吸も燃焼と同じようにエネルギーを発生する」 と考えました。
- 彼は人体が酸素を使い、食べ物を燃やして熱を生み出すことを示しました。
- 1824年(カルノーの熱力学研究)
- フランスの物理学者 サディ・カルノー(Sadi Carnot) が、熱のエネルギー変換についての研究を行い、後の熱力学の基礎を築きました。
- 1820年代〜1840年代(カロリーの概念の登場)
- フランスの科学者 ニコラ・クレマン(Nicolas Clément) が、1824年に 「1gの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギー」 を カロリー(calorie) と定義しました。
- 1840年代には、ドイツの物理学者 ユリウス・ロベルト・マイヤー(Julius Robert von Mayer) などが エネルギー保存則 を発展させ、カロリーが「熱量を測る単位」として確立されました。
- 19世紀後半(食品のカロリー研究)
- 1890年代、アメリカの科学者 ウィルバー・オリン・アトウォーター(Wilbur Olin Atwater) が、食品のカロリー計算を研究し、「栄養学におけるカロリー」の基礎を築きました。
- 彼は 炭水化物、脂質、タンパク質のカロリー換算値(4kcal/g、9kcal/g、4kcal/g) を確立しました。この数値を『アトウォーター係数』と呼び、現在のカロリーの基準とされています
現代のカロリー
現在では、カロリー(cal)はジュール(J) に置き換えられつつあり、1cal = 4.184J と定義されています。しかし、食品やダイエットの分野では、今も「カロリー」が一般的に使われています。カロリーはもともと熱エネルギーを表す単位でしたが、現在では 人体が食べ物から得るエネルギーを測るための単位 として広く知られるようになりました。
カロリーは関係無い。と言う方もおられます。この考え方が正しい・間違っているではなく、体の管理をする為には感覚や経験だけに頼らずに『数値』として表す事で管理しやすくなり、自己分析にも繋がります。アトウォーター係数は厳密には少しのズレはありますが、目安として使う分には問題ないでしょう。